2014年8月29日金曜日

キッテデカを読み終えて

第1巻を買ってから楽しみにしていた漫画、キッテデカの第2巻が発売され、届いたので早速読みました。
何度か、知っている切手も出てきましたが、それ以上に、郵便に関することを色々教えてくれた漫画です。
1巻で印象に残ったのは、郵便料金が変わる折の特例の話でした。
郵便料金が変わる日の最初の集配までは「改定前の料金」が適用される。そのため、「改定前の料金の切手」でありながら「改定後の日付の消印」が押された、変わった郵便物が出来る―――まさか、その1年後、今年の4月に実行できるとは思いませんでしたが、運良く30通を超える手紙を出しました。折しも記念切手、届いた方々の記念にもなっていれば嬉しいのですが…。

そして、第2巻。ついこの前使った、日本天文学会創立100周年記念切手の話などを横目に見ながら、郵趣家ではなく手紙ファンとして、いくつも心のひだに残った言葉があった、名作でした。最後の1話と、その直前の1ページ。時を忘れて読んだ漫画は、本当にひさしぶりでした。その中から、いくつか、印象に残った言葉を、引用したいと思います。

「日本の郵便送達率は、実に98.2%…アメリカの6割強、ドイツの8割弱と行った数字を見ると、いかに驚異的なことかがわかる。世界に冠たる日本の郵便制度は、坂井君のような郵便局員の努力に支えられているんだ。」

「父は祖父の切手を集めたストックブックを持って、祖父の出港した横浜の港によく行ってみたそうです。目をつぶり思いを馳せると、祖父が訪れた遠い外国の景色がまるで目の前にあるかのように浮かんできたそうです。父にとってはこの小さな切手の一枚一枚が、祖父の訪れた遠い土地に誘う魔法のパスポートだったのかもしれませんね。」

「切手や手紙の良さがわからないなんて、ずいぶん寂しい人生を送ってるんだなあとかわいそうに見えますけどねえ。」

「個別配達がお年寄りの見守りや犯罪防止にも役に立つんですね…!!」「実際、郵便局の地域特性を生かしてお年寄りの見守りサービスを実施している地区もある。海外の効率優先のコミュニティメールボックスだけがいいっていうわけじゃないんだ。」

「母の日のプレゼントに何が一番嬉しいかってアンケートがあって…一位は子どもたちが書いてくれた手紙っていう回答だったんだ。」

これらの言葉もさることながら、なお私という人間にとって心に残ったシーンが、2つありました。

1つは、異を唱えたいシーンです。(実際、次のシーンに対する主人公の反論が、先に引用した「切手や手紙の良さが…」ですが…)

「これから先、切手やら郵便やらを使う人間はどんどん減っていくってことさ。だいたい今の時代にてがみなんか出す人間のほうが少数派だぜ。たいがいの用事はeメールかSNSで済ませちゃうだろ?オレは親とのやりとりだって、ここ何十年も手紙なんて書いたこともないぜ!!」「そういやあオレもだ…」「年賀状すらメールで出すしなあ」(中略)「将来的に切手や手紙、ハガキなんてのもみんななくなるんだ!!」

そして、この言葉を否定する、最後から2ページ目の、私の一番好きなシーン。

「自分の手で書く手紙やハガキにはメールにはない温かさが溢れてる。遠い未来でも手紙やハガキがなくなることは絶対にないよ。」「そして…切手もですよね?」「その通り!!」

私も、そう思って手紙を出している。

紙を真剣に選び
丁寧に封筒を作り
一筆心をこめて認め
封に至るまで気を抜かず
記念切手も持ち合わせの中から心を配って決め
時には風景印も押してもらう。

そうして、自分が相手に対して持っている愛情を、温かさを届ける。それが、私にとっての手紙というものなのです。

私はこの漫画の主人公のように切手を集める人ではなく、切手を使う人です。
手紙に至る工程の文具のいずれにもまた、集めるのではなく使う人として接しています。
その中で、最大限の心を配するのが、私の手紙だから、本当に印象に残った最終話でした。

確かに、手紙を書く人は減った。メールやSNSでさえ何も返事もなく、自分が手紙を出して迷惑をかけたのではないか、嫌われているのではないかと思うことは沢山沢山ある。時にはそれで死にたいと思うことさえある。

それでも私は信じたい。私が手紙を送っている全ての人に、私の愛情や心、温かさが届いていると。ただ一言の"受け取った"は、素っ気なくも思えるかもしれないけれど、届いた証明でもあるから、言葉以上に嬉しいもので、そう思えるのは、先に書いたように手紙のことを考えているからに違いない。

折しも今週、私の便箋がまた数百枚増えました。キッテデカを読み終えた今、また、手紙を認めようと、便箋を前にしています。

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