2014年3月1日土曜日

ル・マン200の退院に思う

昨年末、洗浄の折にル・マン200のニブ&ペン芯を破損してしまい、いつものようにpen and message経由で修理を依頼しました。当初、2ヵ月半ほどかかり、3万6千円ほどかかると言う見積もりでしたが、実際には期間・費用とも3分の2ほどで済みました。



修理内容はソケット全体の交換です。ニブとペン芯をやってしまっており、ソケットからペン芯が抜けない状態でしたので最初からそうなるだろうと思っていました。修理の依頼の際も最初から「ソケットより上の交換」と書いていたぐらいです。廃盤品でしたのでパーツがあるかどうか心配していたのですが、幸い在庫が残っていたようで、元通り、すっきりとなって戻ってきました。こういうこともあるので、在庫がない可能性のある廃盤品やヴィンテージ、限定品を使うのはしり込みしてしまうことも多かったのですが、気付けば"現行定番品"として買ったものも多くが廃盤品等になってしまっており、少し怖いなぁと思っています。

実は、自分のもっている中にも3本、そんな思い出がある万年筆があります。

一つは、カトウセイサクショ2000のバラフ・ブルー。ペンマイスターと言うサイトで取りおきまでしてもらって購入し、受験を一緒に乗り切ってきた、私の最初の金ペンです。そのニブは、同じく受験を乗りきろうとしていた人に、4年前だったかに渡しました。その後、キャップが閉まらなくなり、川窪さんに頼んでエボナイトを巻いて修理してもらいました。
加藤さんの訃報を聞いたのは、それから間もない頃でした。
大好きだった加藤さんのペンを使って、加藤さんへの言葉を書き、pen and messageに送りました。そして、加藤さんの奥さんに届けられました。
私のもっている加藤2000は、もう元の形ではないけれども、それでも持ち続けていたい・・・そう思うのです。しかし、既に傷をおったこのペン、もうこれ以上使う勇気を、私は持ち合わせていません。結果、加藤さんの思いとは裏腹に、私はこのペンをしまいこんでしまっています。おそらく、万年筆の世界での私をごく最近知った人は見た事がないと思いますが、エドソンと私が結び付けられるより前、私が一番よく人前で使っていたのは、加藤2000でした。
これからもしまっておくであろうこの万年筆、もう一度できることならば、エボをまかない元通りのキャップに、セーラーの金ペン先をつけて使ってみたい・・・今でもそう思っています。

それから、ロングプロダクツのゴールドストライプ。元々黄色い万年筆が好きだった私は、ペンハウスにこのペンが入荷するや否や、大急ぎで買い求めました。ペン習字ペン・加藤550やエリートについで使いだしたこの万年筆、やはり加藤2000と同じく、一度はキャップが閉まらなくなってしまいました。その折、藤本さんに修理をお願いしたら、何と無料で直してくださって、本当にうれしかったことを覚えています。
エドソンやル・マンを手に入れ、鉄ペンだったのもあって、あまり使わなくなって来ていた時期に、藤本さんの訃報を聞きました。ペンハウスとコラボして多くの万年筆を出していた、その後のことでした。
ずっと大好きな軸、何とか使えないものかと考えました。そうして、考えたのが金ペン換装。ですが、どのニブが合うのか、検討する日々でした。
そんな折に突然別の方向から解決策が見つかります。当時人気があったTWSBIのダイヤモンドの金ペン換装の報告があちらこちらから聞かれるようになりました。その報告には、TWSBIのダイヤモンドがおそらくシュミットのニブであること、パイロットの5号ペン先が適合することが書かれていました。早速、中古ながらカスタム74を買い求め、換装を実施しました。
そうして、換装して使い続けられるようになったのですが、いつ入ったものか、ソケットの端に、少しだけヒビが入ってしまっています。直す方法の思いつかぬまま、インクが漏れるからと使うことも出来ず、オフラインになって、やはりしまいこんでしまっています。

そして、私の代名詞ともなりつつある"キャップのへこんだエドソン"。キャップを入手し、もうへこみはありませんが、このエドソンはもう一つ、こわごわ使っているところがあります。
コンバーターです。
サファイアブルーのエドソンのコンバーターは、ペンのデザインにあわせ、インク窓がブルーで金属部が金色である特別のコンバーターなのです。しかし、これも廃盤になっているらしく、コンバーターを入手するのは、難しいようです。

いずれも、もう不可能と思われる修理を少し悲しく思いながら、戻ってきたル・マンにほっとしています。もし、どなたか、良い修理の方法があれば、教えてください。元通り、きれいな形で使えるような・・・。

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