2012年8月21日火曜日

「やってなんぼ」で普及しよう

万年筆愛好家と会うことが多く有ります。それはそうでしょう、私だってその中の一人なのですから…。競技プログラミングを普及しようとしている方とお話する機会が多く有ります。それはそうでしょう、私だって思いを共にしているのですから…。

私は、万年筆もプログラミングも好きで、それらの普及啓発に微力を尽くしているつもりです。これらの普及をしていく中で、大切だと思ったことは、それらが好きな人の主張とズレている、というふうに思うようになって来ました。

万年筆が好きな人は書き味を楽しんだりフォルムを楽しんだりします。インク談義に花を咲かせることもあります。大いに楽しく、私もどんどん参加します。でも、それは知っているからこそ楽しめる面白さなのではないか。

競技プログラミング好きは、様々な問題に対し、出来る限り適切なアルゴリズムを見極め、あるいはデータ構造を見極め、それを人よりも速くコーディングして得点を取ることに楽しみを見出すことが多いです。あるいは、少し経路が違う方向かもしれませんが、人より何らかの尺度において優れた(性能・コードの短さetc...)プログラミングを行うことに喜びを感じます。私ももちろん、これらが楽しいから参加しているのです。でも、それはすでにある程度プログラミングを知っていて、使えるからできる芸当です。

私は、これらに入るより前の段階での普及・啓発活動を行なっています。そして、その段階では、「使い方」を懇切丁寧に教えることに重点を置いています。教材などとして「マニア」の人たちが好きなものを使うことはありますが(ex.マニア推薦の万年筆で書いてもらう、競技プログラミングの問題を練習問題にするetc...)、まずは使い方なのだ、と。

まずは使ってみて、まずはやってみて、そのあとで趣味にしていけばいいのではないかと思うのです。普及活動をしているときに、たまに思うことですが、最初はまず、基礎を固めるというか、体験してみるというのが大切なんだと思います。万年筆で色々書いていくうちに万年筆が好きになっていく。いろいろなものを作るうちにプログラミングが好きになっていく。私はそう思います。もちろん、その過程でマニアの世界に触れてもらうこともありかと思いますが、本格的に世界に来てもらうのはもっと後でよいと。

誰でも最初は初心者で、誰でも最初はいろいろ体験して、そこから好きになってきているはずです。もちろん、その体験の中で好きになれないものもあるでしょう。私は、書道を9年間ほど習っていましたが、どうしても好きになれなかった。また、たいていのスポーツは(今でもたまにやってみたいなと思うことがありますが)、実際やってみるとあまり好きになれない。そんなのは趣味にしなくていいと思います。

まずは体験してもらう。普及・啓発活動にはそこが必要なのだと思います。万年筆好きな方には、いろいろ書かせてくださる方がいますが、その前に、まずは一本買ってもらって(あるいはプレゼントして)、それを使ってもらうのが大切だと思います。競技プログラミングの普及をしようとしている人を幾人か知っていますが、まずはプログラミングのこと、とりわけ作る楽しみを知ってもらうことが先決だと、いつも思います。

「やってなんぼ」なんです。コレクターとかになるのはその後なんです。だからこそ、自分がその分野に深く入れば入るほど、普及は「やってみること」にシフトしていかなければならないと思うのです。たとえ、それが自分の中で物足りなさすぎる内容だったとしても。

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