2011年7月30日土曜日

書評:12皿の特別料理

7月最後の書評は
清水義範「12皿の特別料理」です。
12の短編集で、それぞれの話は「解説者の視点から見た物語」となっています。途中で作り方の解説などがあって、独特の観点から日常を切り取っているように思います。以前から言っているとおり、私は日常を切り取った作品が好きなので、これも面白く読ませてもらいました。元々近くの古本屋で100円たたき売りで目について買っただけですが。

おにぎりとかカレーとかの比較的身近なものから、タラのプロバンス風とかチキンの魔女風とか「何?」と聞きたくなるようなものまで、色々な「特別料理」が載っています。その話の多くは、何の進展もしません。ただ、日常の中にこんなものがありました、というだけのような話です。ドキドキワクワクのストーリーでも、大笑いできるコメディでもなく、のんびりと日常を眺めるような作品として好い作品だと思います。



8月は「コンビニたそがれ堂シリーズ特集」をします。本屋で平積みにされていて、興味を持って読んでみると大当たりでした。買ってから1週間以内に3冊とも読んでしまい、親によく言われる「読むのが速いからもったいない」を実感しました。ちょうど内海隆一郎「人びと」シリーズと競合して読んだので、ちょっと速く読み過ぎて、後の楽しみが…。

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