2011年5月30日月曜日

書評:「伝われ、愛」

私が中島みゆきファンであるというのはブログに時折出ることからおわかりかと思うのですが、その著書の一冊「伝われ、愛 月曜のスタジオから」を入手し、読んだのでその感想を。

かなり速いペースで読みました。通読30〜40分かかったでしょうか、というぐらいです。

中島みゆきの多くの歌にある、傷ついたときに感じるような優しさが感じられる部分があり、MCやDJの時のような明るい部分があり、という、話か日記をそのまま本にしたような内容でした。非常に読みやすく、ファン向けかもしれませんが、楽しむことができました。

この本に書かれた日々に、私はまだ生まれていません。生まれていない時代のことなのに、なんとなく想像がつき、それ故に懐かしさを感じるのが不思議です。

圧巻は二人の手紙です。中島みゆき宛に送られた一連の手紙が、二人分掲載されています。その内容は、ある意味で極めて似通っており、そして同時に対比的です。私は、この本をひと通り読んでから、もう一度その手紙の部分だけを読み直しました。人の日々の辛さの一端がありました。

「時計は二度と回らない
God bless you 彼女によろしく」
中島みゆき「彼女によろしく」の一節です。これは妬みからの嫌味であるととるほうが自然なのでしょうが、この本を読んでみると、もしかすると本心で言っているのではないのかと思います。

God bless youと言っている、その愛が伝わらんことを。

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