2011年2月23日水曜日

二つの曲の"until today, starting tomorrow"

今回は珍しく、中島みゆきベスト200ではありません。

中島みゆきの最新アルバムの一曲目は「今日以来」です。この曲のタイトルを聞いたときに、何かふと思ったのが吉田拓郎の「今日までそして明日から」でした(親が好きで、よく聞いていたのです)。ほとんど同じような意味のタイトルの2曲に、昨日が好きな、未来より過去が好きな私は、感じることが多くあります。どちらの曲もどことなく曲調が似ているように思います。実際、「今日以来」は「今日までそして明日から」のオマージュではないかという意見も見られます。

2曲の共通点はそれぞれ聞いてみて、というところですので私が色々書くつもりはありません。

この2曲に思ったことは、昨日までの自分と今日からの自分の「同じところ」「違うところ」です。拓郎さんは「明日からもこうして生きていくだろう」と歌いますが、みゆきさんは「もう愛します、今日以来」と歌います。今日までの自分との違いがある一方、変わらない自分がある。その2つの違いが明日というものだと思うのです。

今は思うこともなくなりましたが、死にたいと毎晩のように思っていた頃、どれほど「今日までそして明日から」を思い浮かべたか。それまでほとんど流していただけの歌でしたが、現実味を持って迫ってきたのです。父がそれほど好きなのは、多分ずっとわからないでしょう、父が私の中島みゆき好きを分かりきれないのと同じく。でも、その一部をわかれたような気になったのです。

今日までのことを考えて、また明日を生きる。人間の、有限ながらも無限に見えるルーティンの中で、私は昨日を素敵に思いながらも、今日を、明日を生きていきます。愛したがりになろうと思いつつもなれないままで、こうして生きていくのだろうと思います。いつも昨日を素敵とおもうけれども、過去は未来よりずっと輝いて見えるのだけれども、でも、そう思いながらも、私はこうして生きていくのだろうな、と。今日まで生きてこられたのだから、可能性の高い偶然である明日も生きるのだろうと、漠然とおもっているのです。

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