2010年10月15日金曜日

2つのゲームの「愛のテーマ」

ゲームの曲にきちんと歌詞がつき、歌手もいて…というのは、私が生まれた頃には殆ど考えられなかったことなのでしょうが、現在のゲームはそんなことはなく、多くのゲームの主題歌が普通の歌謡曲として捉えられるレベルになってきていると思います。勿論、そんな中でゲーム音楽はゲーム音楽とけじめをつけているものもあり、それも好きです。桃鉄は好きですが、その主題歌に無理やり歌詞をつけた「それいけ桃鉄!~紅白バージョン~」は桃鉄ファンでないと聞けないと思っていて、そんな曲にするぐらいならゲーム曲でよかったのではと思います。

そんな、歌謡曲としても通用する歌詞付きのゲーム曲に、二つの「愛のテーマ」があります。FF4とMOTHER3のそれです。

FF4の歌詞付きはDS版が出てからでしょうか。伊田恵美さんが「月の明かり~FF4 愛のテーマ~」として歌っているものです。FF4は、世界よりも一人の女性を選ぶ、そんな主人公を描いています。最終的に世界が救われるのはRPGどおりですが、それでも、熱情的な恋愛の「愛のテーマ」だと思います。歌詞にそれがそこまで深く現れているようには思えませんが、曲調はヒロインがヒーローを想うことを十二分に表現していると思います。

同じ「愛のテーマ」でもMOTHER3の「I Miss you~愛のテーマ~」はコンセプトが随分違います。FF4のそれが恋愛的なものなのに対し、こちらは母性的な、家族に対するような、特に自分の子供に対するようなそんな愛情を示しています。MOTHERのタイトルが示すとおり、このゲームは母親がキーとなるゲームですが、そこに現れる家族愛を表現した優しい曲がこの「愛のテーマ」だと思います。こちらはゲームと同時に歌詞ができて、マッチングしていますが、先に書いたとおり歌謡曲として通用するものだと思います。

その二つの愛は、どちらも人間が有している愛で、実はひとつの愛の過程です。恋愛の始まりでは、きっとFF4のような愛を持つのでしょう。それが、おしどり夫婦というような、長い年月を経て、後者へと変わっていくのだと思います。恋する愛情が、愛惜しむ愛情へ変わっていくということです。そんな、愛情を注ぐ言葉は色々あるけれども、可愛いがそのひとつなのではないかと思います。

高校などで古語について学ぶ機会があれば、「いとけなし」や「らうたし」といった様々な「可愛い」之表現を知ることとなります。その表現はどれもニュアンスが違っていて、昔の人はカワイイは可愛いでも色々といい分けていたことが伺えます。

今は「かわいい女の子に声をかける」と「かわいい赤ちゃんですね」とが、同じ「かわいい」です。そのことがこの二つの愛のテーマに現れているような、そんな気がします。

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